バイオリンセッションの事(「終わり良ければ」の為にする準備)
昨日はバイオリンセッションでした。
沢山の方々に来て頂き本当にありがとうございました!
ドラムも3人、サックス2人、ピアノ1人、ギター1人
その他は勿論バイオリン多数!
嬉しい事に来て頂いた方々の中で、初参加の方が沢山おられました。
やはり、皆さん緊張されていたようですが、最後は皆さん楽しかったと言っていただけてホッとしました。
さて、セッションの内容で少し気になる事がありました。
それは、演奏のエンディングについてです。
何曲も続けて、最後の流れの所で曖昧な感じの終わり方になってしまう事態に。
分かっているんだけど、中々上手く終われない物ですよね。
でも、終われなかった事には必ず理由があるはずです。
少しでも参考になればと思い、自分が考える上手くエンディングを迎える為に必要な事を挙げて行こうと思います。
1.まずフロントも、他のプレイヤーも終わる形を持っているかどうかが大事ですね。
形とは単純に言うと前もってある具体的な終わり方の知識です。
曲によって、そのままストレートに終わるのか、
残り二小節を繰り返すとか、
2-5の後3-6に行ってそれを繰り返すとか、半音上に上がるのか、あるいはritしながら終わるのか。
単純な知識として、エンディングパターンを知っているかどうかは大きな要素になります。
曲によってお決まりのパターンになっているエンディングもありますし。
バイオリンセッションにおいて、曲を終わらせると言うのは勿論ホストバンドの仕事でもあるのですが、
昨日はフロントプレイヤーがどう終わりたいのか、これが他のプレイヤーに伝わらない事が多かったと思います。逆にバックがどう終わろうとしているのか、感じてあげられなかったとも言えるかも。
そこを上手く纏めるのもホストバンドの役割と言う事もできますが。
2番目のポイントはプレイヤー同士のコミュニケーションです。
ここで終わりだなとか、あ、ゆっくりにして行きたいのかなとか、もう一度盛り上がるかなあ?とか様々な所から感じて、察する事が必要です。先を見るということも同じく。
そして、お互いの意識を音や表情、目をみて確認しながらセッションすると、意外と簡単にすんなり終われたりします。
僕がセッションの途中で
「心を一つにして行きましょう」
と言ったのは冗談では無くて、
プレイヤー同士の距離が凄くあると感じたからなのです。
さて、三つ目は1番難易度の高い話です。僕もいつもやれているかと言えばそうでは無いかも知れません。
三つ目のポイントは曲全体のストーリーを考えてセッションを進めると言う事です。例えば、バイオリン一人目がソロを取った後、バイオリン二人目がソロを取ります。
そこに何らかの関連性があれば、次のソリスト、例えばピアノがまた同じキャンパスに違う色で塗り足して行くような感覚。それが一曲繋がっていけば自然とエンディングにも持っていけます。
1のパターンを持っていても、3を前提にして2をしながらエンディングまでの過程をしっかり作る作業に集中していないと、上手くいかない事が多いです。
とってつけたようなエンディングになったり、強引な感じになったり。
勿論、個々違うフィールがあって良いと思うのですが、自分のソロが終わった後、続いている音楽に無関心な事はありませんか?
もしくは、リズムセクションの方々はソリストが何をやっているのか理解しようとせず、自分の音だけに興味がいってないでしょうか?
演奏中、何を感じているか、何が起こっているのか常に把握しておく事が出来ないと、エンディングに向けての過程が作れません。
これはセッションに参加している方々だけの事では無く、良いアドリブや、良いコンピング、良い音、勇気あるチャレンジなどに対して、聴いている側もリアクションして行くと、一体感も高まってきます。
ジャズのセッションは皆でそうやって高め合っていける物だと僕は個人的に思っています。
あまり弾けないからとか、下手だからとか、あまり経験がないからとか、そう言う話では無いんです。
僕はセッションに参加してくれている皆さんが楽器を扱える事を本当に素晴らしいと思っています。
皆さん、各プレイヤーを尊敬していますし、その楽器を使って生身の人間同士が一つの作品を作る作業をとても尊い事だと思っています。
そしてそこに上手い、下手とかはあまり重要ではなく、どれだけ音に集中して、心を開いて、他のプレイヤーを尊重して、皆で気持ち良くなる為に出来るか。
勿論、その為には終わり方など、知らない事を知る努力は必要だとは思いますね。
最後に浜松ジャズウィークのクリスチャン・ハウズのワークショップにおいて、本当にあった話を紹介します。
生徒の中で、ファースト・ポジションを弾く事にも苦労していた方がいたのですが、セッションの形になった時に、彼女は二つの音だけで素敵な演奏を聴かせてくれました。
他の生徒さんたちは、チャレンジをし過ぎて音が外れたり、リズムに乗れなかったりする中、
その生徒さんは、自分の出来る事をしっかり把握していました。
二つの音だけでもしっかりリズムを捉えて皆とサウンドを揃えれば良い演奏になるのだと証明してくれたのです。
彼女は何より必死だったと思います。
だけど、冷静だったとも思います。
自分に何が今出来るのか、これをしっかり判断できて、二つの音だけで良いから弾こうと言う覚悟が伝わって来ました。
これが四つ目。自分の音、意思をしっかり持つ事です。
僕も常に一つ一つの音を大事に、必要な音を出して行きたいなと思います。
そうすれば、そのパワーに周りも感じて流れができるはずですから。
セッションには本当に闘いの様な場所もあるでしょうし、音が出せて皆でやれれば楽しい!という場所があっても良いと思います。
僕はバイオリンセッションが、上に書いた様にワイワイやりながらも、演奏に集中して、人と人との距離が近く、みんなで良い音になる様に努力できる、そんな場所であれば良いなと思っています。
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